マイナースケール(短調・短音階)の本当に正しい使い方。民族音楽を作りたい人は必見な

      2016/04/13

ピアノネコ

 

くぼた
先生!マイナースケールについて教えて下さい

先生
マイナースケールはマイナーコードをたくさん使って曲を作ればいいんだよ!

 

くぼた
…???具体的にどうすればいいんですか…?

 

先生
具体的には曲の出だしと終わりのコードに6度マイナーを使うことだよ!

先生
後は極力1度メジャーを使わないことでマイナースケールの曲になるんだ!

先生
聞いてみた感じで暗い曲ならマイナースケール。明るければメジャースケールの曲なんだよ!

 

くぼた
ってことは僕は既にマイナースケールの曲を作っていたんですね!?

先生
そうだよ!というよりくぼたくんの曲はマイナースケールばっかで嫌になるよ!はっはっは!

 

 

くぼた
僕は既にマイナースケールマニアだったんだ!やったーーー!!

 

 

 

 

…あれから1年

 

吹き出し

 

と、まぁ茶番はこんなところにしておいて…今回は「マイナースケール(短調・短音階)」について書いていきます。

音楽理論を勉強されている方なら一度は耳にしたことあるかもしれませんね。ついでに上のような教わり方や解説を見たこともあると思います。

 

はっきり言ってこの理論は現代の音楽を制作する上で、ほとんど使いみちがありません。クラシック音楽や一部の音楽ジャンルでは必須の知識なんですが、ポップスやロックにおいて使用することはほぼ無いでしょう。

 

じゃあなんでわざわざ解説を書くのかいうと、言葉だけはやたらと有名なクセに世の中に出回っている理論書や解説サイトで正しい解説がされていない、または、肝心なことが書いていないものがほとんどだからです。それがなんというかすごいムカつくんです。

 

最初に書いた会話も実際にぼくが体験したもので、講師も盛大に間違えていました。ちなみに間違えていた講師は1人じゃありません。今まで10人くらいの先生に教わってきましたが、正しい回答をくれたのは1人だけです。

 

プロの講師でも間違えていることが多いのに、名前だけは有名なマイナースケールを勉強してみましょう。

 

 

 

マイナースケールとは

 

ってことでマイナースケールとは何ぞやというと超単純で「暗い曲を作るのに使用するスケール」のことを指します。暗い以外に哀愁や陰気な雰囲気を表現することができます。

 

ナチュラルマイナースケール(自然的短音階)

 

早速鍵盤がある方は「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」と弾いてみてください。

 

サンプル「ナチュラルマイナースケール(自然的短音階)」

 

いかがでしょうか?メジャースケールと違い若干暗めな響きがすると思います。これはナチュラルマイナースケール(自然的短音階)」と呼ばれ、暗い曲を作る際に使われるスケールです。(現在ではほとんど使われていません)

 

 

ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)

 

次に「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ#・ラ」と弾いてみてください。ソにシャープが付くだけで他は一緒です。

 

サンプル「ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)」

 

なんだかインドとか東洋の音楽っぽい響きですな。

こいつは「ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)」と呼ばれナチュラルマイナースケールをもう少し使い勝手を良くしたものです。マイナースケール上のコードは全体的に使い勝手が悪いのですがソの音にシャープが付くと途端に使えるものが多くなります。コード進行を作る時や編曲をするときに使うといい感じにはまります。

 

 

 

メロディックマイナースケール(旋律的短音階)

 

次に「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」と弾いてみてください。

 

サンプル「メロディックマイナースケール(旋律的短音階)」

 

若干メジャースケールに似ている響きがしますね。

こいつは「メロディックマイナースケール(旋律的短音階)」と呼ばれメロディラインを作るときはこいつを使うといい感じにできると言われているスケールです。ギターソロとか作る時に使用するといい感じにハマります。

 

色々とすっ飛ばしましてすみません。どうせ役に立たない理論だと思うとついつい手を抜いてしまう…

まぁ簡単にいうとコード進行に迷った時はハーモニックマイナー、メロディが上手く出来ないときはメロディックマイナーを使ってみるといい感じになることが多いってことですな。今後マイナースケールを使ってみたいっ!て方は(ほとんどいないと思うけど)覚えておくと便利だと思います。

 

 

マイナースケールで使用するコード一覧

 

マイナースケールを使いこなす上で一番重要なところです。

マイナースケール上で使用するコードは以下のようになります。

 

Amスケール

 

Amから始まってBマイナーフラットファイブ、Cメジャー…

これって使用できるコードがCメジャースケールと一緒ですよね。ここが講師でも間違えてしまうくらいマイナースケールを分かりづらくしているんです。

 

CメジャースケールとAmスケールをもう一度よく見比べてみてください!

Cメジャースケール 比較用

Amスケール

 

はい、賢い皆さんはもうおわかりですね。

CメジャースケールとAmスケールは使うコードが一緒でもディグリネームが違うんですねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディグリネームが!ちげーんです!!

 

 

 

んでもってディグリネームが変わってくるとトニックやドミナントのコードの機能も同時に変わってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コードの機能が変わってくるんです!!!!

やっほー!せんせー見てるー?(^q^)

 

 

 

 

 

具体的に見るとこんな感じです。

Amスケール カデンツ

 

つまり使用できるコードは同じでも使い方が全く違うということですね。

 

以前コード進行の解説の際にトニックやドミナントの役割を学校のクラスに例えて書いたのですが、これがグチャグチャに変わってきます。

 

コードの分類と個人的な印象

 

「C」

スケール内の中心的な役割 明るい曲を作りたいときはこいつを中心に使用する。確実な安定感。
クラスメイトで言うなら明るくさわやか親切なクラスのリーダーで生徒会とかに立候補するような模範的な生徒。個人的には苦手なタイプ
分類としてはトニック(T)四コマで言うなら起か結の役割

 

「Dm」

かなり影の薄いやつ クラシック時代の音楽理論ではいないことにされているくらい悲しい運命を持つ。近代に入ってⅡ→Ⅴ→Ⅰ(Dm→G→C)という進行で脚光を浴びるけど、正直これ以外で使いどころがわからん。
コード進行作るときに迷ったら使ってみる程度で良いと思います。まぁ大抵不採用ですが。
分類としてはサブドミナント(SD)四コマなら承の役割

 

「Em」

こいつも若干影の薄いやつ 分類としてはトニック(T)で起や結の役割となっているんですが実際に使われている曲はあまりない。一部ではあいつドミナント(D)じゃね?とも言われる。
どちらかと言うと進行の間でアクセントに使うといい感じにハマる時があるというわけのわからんやつ。
Dmと同じく迷ったら使う程度で良いのではレベル

 

「F」

スケール内の変わり者。分類としてはサブドミナント(SD)で承の役割とされる
ただ承としては微妙で不採用になることが多い反面、起として使用すると抜群の効果を発揮する。謎。
曲の出だしや切り替え(Bメロとかサビ)の頭で使うことが非常に多く、綺麗に馴染むが他の場面では使いづらい。ちなみに結として使うと最悪。
クラスメイトとは全然馴染まないくせに、なぜかこいつ発起人となって話が進むみたいな感じですな。
ちなみに世の中にある曲はⅠ・Ⅳ・Ⅵ(CメジャースケールならC・F・Am)から始まる事がほとんど。逆を言うと出だしのコードでその曲のキーを認識できます。

 

「G」

クラスの参謀的な役割。分類としてはドミナント(D)で転の役割
こいつが中心になったり頭になって曲が進むことはないが、コードを変えたり間に入れる時には抜群の効果がある。
AメロからBメロに移るときとか、コードが変わるときは間にこいつを突っ込んどけば大抵馴染む。いや絶対馴染む

 

「Am」

スケール内のもう一人のリーダー 暗いとか切ない曲を作りたいときはこいつを中心に使用する。響きはCと正反対だけど抜群の安定感
明るい曲中でも要所要所に入れるといい感じに切なくなってくれるというできるやつ。個人的に大好き
。馬鹿みたいに明るいパンクとか童謡とかを作る時以外は100%使用するであろう万能コード
分類としてはトニック(T)四コマで言うなら起か結の役割

 

「Bm(♭5)」

クラスの不登校児。一時転調とか特のテクニックを使う時に使用する特殊なコード。今現在は使いませんが応用になってくると使用します。

 

 

Ⅰ = 中心人物

Ⅱm = 影の薄いやつ

Ⅲm = 微妙なやつ

Ⅳ = 変わり者

Ⅴ = 参謀

Ⅵ = もう一人のリーダー

Ⅶ = 不登校

 

簡単にいうとこんな感じです。マイナースケールになるとこうなっちゃいます。

 

  • Am = 中心人物
  • Bm(♭5) = 影の薄いやつ
  • C = 微妙なやつ
  • Dm = 変わり者
  • Em = 参謀
  • F = もう一人のリーダー
  • G = 不登校

 

クラスのリーダーだったC君が微妙なやつになったり、大活躍の参謀だったG君にいたっては不登校児になってしまいました。グッバイG君

じゃあドミナント、クラスの参謀は誰になったのかというと…まさかのEm君がドミナントとして活躍します。影の薄いやつだったくせにな

マイナースケールはここが一番ポイントです。曲の出だしが6度マイナーとかマイナーコードをたくさん使うというのもある意味正解なんですが、それだけではただ暗いメジャースケールともいえます。

 

音楽理論において正しいマイナースケールとは3度マイナーをドミナントとして使うことです。

 

 

 

 

マイナースケールを聞いてみよう

 

解説ばっかりでもアレなんで試しにマイナースケールでコード進行を作ってみましょう。

 

「C G C」

 

 

おなじみの C → G → Cトニック→ドミナント→トニック の流れですね。お辞儀野郎です。まだ出てくんのかって感じですがこいつをマイナースケールにすると…

 

「Am Em Am」

 

パッと聞いてわかると思いますがやたらと暗いですね。お辞儀をしてそのまま死んじゃいそう。同じお辞儀でも発表会の時にするものと借金取りにするものくらい違いますね。

じゃあついでにサブドミナントも入れてみるかね。

 

「Am Dm Em Am」

 

はいくらーい。

なんというかロック特有の不良っぽいクールな暗さではなく、ねっとりとした粘着質な暗さが感じられると思います。このジメジメした特有の暗さがマイナースケールの大きな特徴です。

 

テンションを足してファンク風にしてみました。これはちょっとかっこいいかも

「Am Dm Em Am funk」

 

 

 

 

既存の曲でマイナースケールの曲は(一部のジャンルを除いて)本当に少なくて特にロック系だとマジで見つかりません。唯一見つかったのがこれ↓

 

oasis  「the importance of being idle」

 

パッと聞いてわかると思いますが一般的なロックの曲と違い、クセの強い独特な世界観を感じることができると思います。

oasisはさすがにかっこ良く仕上げていますが、これをロックやポップスで実際に使おうとするとメチャクチャ難しいです。とにかくマイナースケールはクセが強すぎるんですよねー。

 

ちなみにこんなのもありました。ちょっと好き

 

 

マイナースケールを知っていると良いこと①

 

マイナースケールについてご理解頂けたでしょうか?ここまで読んできて皆さんの反応としては「なんだかがっかり…」とか「使えねー」だと思います。

ただこのマイナースケールですが特定のジャンルとものすごく相性が良いんです。

その特定のジャンルとは

 

民族音楽

童謡

歌謡曲

 

このへんの音楽ジャンルはマイナースケールとかなり相性が良く、逆にメジャースケールで作ろうと思うと苦戦します。

 

例えば…

かぐや姫 「神田川」

歌謡曲と聴いて思い浮かぶのがこれ。こんな世界観はマイナースケール特有です。Aメロはハーモニックマイナースケールとちょびっとメジャースケール。サビはマイナースケールとやっぱりちょびっとメジャースケール(多分)

 

同じ歌謡曲でもこっちはメジャースケール。メジャースケールだと普通に現代でもありそうな曲ですね。

財津和夫 「心の旅」

 

 

 

 

マイナースケールを知っていると良いこと②

 

あともう一点知っておくと良いこととしては音楽理論の理解が深まります。

 

例えば以前解説したセカンダリードミナント。例として 「F → G → Am 」を「 F → G → E → Am」にする流れを解説しています。

このサイトでは強進行(ルート音の4度上行)の理論を使ってアレコレ解説したのですが、ちょいと下の画像を見てください。

ハーモニックマイナースケール上のコード和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)で使用するコード一覧

 

 

画像を見ていただければ一目瞭然ですな。特に工夫も無くドミナントからトニック(Ⅴ→Ⅰ)に進んだだけです。

メジャースケールで進んでいた流れを、一時的にマイナースケールにする(転調する)ことで女々しい感じを出してただけの理論なんですよー。

 

 

 

あとは先ほども書きましたがコード進行の解説の際に書いたこの内容。

「Em」

こいつも若干影の薄いやつ 分類としてはトニック(T)で起や結の役割となっているんですが実際に使われている曲はあまりない。一部ではあいつドミナント(D)じゃね?とも言われる。
どちらかと言うと進行の間でアクセントに使うといい感じにハマる時があるというわけのわからんやつ。
Dmと同じく迷ったら使う程度で良いのではレベル

 

「F」

スケール内の変わり者。分類としてはサブドミナント(SD)で承の役割とされる
ただ承としては微妙で不採用になることが多い反面、起として使用すると抜群の効果を発揮する。謎。
曲の出だしや切り替え(Bメロとかサビ)の頭で使うことが非常に多く、綺麗に馴染むが他の場面では使いづらい。ちなみに結として使うと最悪。
クラスメイトとは全然馴染まないくせに、なぜかこいつ発起人となって話が進むみたいな感じですな。
ちなみに世の中にある曲はⅠ・Ⅳ・Ⅵ(CメジャースケールならC・F・Am)から始まる事がほとんど。逆を言うと出だしのコードでその曲のキーを認識できます。

 

これも「謎」とか「よくわからんやつ」とか書いていますが、マイナースケールを知っていると一発でわかりますね。F はマイナースケールの6度トニックだし、Em はドミナントです。謎なんか何一つ無かったんや!

 

こんなふうにマイナースケールを知っていると曖昧だった音楽理論にちゃんとした理由が存在すると理解できます。現代の音楽理論は基本的にメジャースケールを使いますが、マイナースケールの良いところだけは取り入れてやがるんです。だからゴチャゴチャしてしまうんですね。

 

音楽理論は単独で勉強すると分かりづらかったり、曖昧になってしまうところがありますが、突き詰めて勉強していくとちゃんと全部繋がっていきます。点と点が線で繋がった瞬間はやっぱりおもしろいと思うよー


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